ルーシーダットンと商標に関して
2007年 3月30日特許庁より正式に取り消しの通知が出されました
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タイ式ヨガとも称される「ルーシーダットン」の商標登録が 日本国内で行われていた問題に関して、 タイ商務省知的財産局からの異議申し立てに基づき日本の特許庁側が 本年3月30日付けで商標の取り消しを決定し関係者に通告していた事が明らかになっています。 この問題に関してタイ商務省知的財産局側は異議申し立ての中で、 ラーマ1世の治世時に行われたタイ国内に点在していた医学知識の収集対象にルーシーダットンが含まれ、 更にワット・ポー(ワット・プラチェトゥポン)建立時にルーシーダットンのポーズを模した像を作成し国内に広く普及させようと試み 、その後ラーマ3世が一部損壊していたルーシーダットンの像に替わる像を新たに製作すると共に、 用法に関する解説を表した詩を刻んだ石碑を設置し普及に貢献していた。 ・ラーマ1世や3世により一度は体系づけられ国民に周知されていたルーシーダットンは、 その後設置された像や石碑の多くが破損、盗難等にあうなどの事情により一時資料が散逸し 、本来の型や効能等が不明になるという事態に陥ったものの、 その後タイ政府は1993年から2004年までに渡る伝統医学知識復興プロジェクトにより 、散逸した知識を再収集し再度体系化させると共にトレーニングコースの開設や書籍の出版、博物館における模型の設置、 イベントの開催や普及促進グッズの販売等により再普及に努めている。 タイ政府はルーシーダットンを含むタイの伝統的医学知識を貴重な知的財産と位置づけ、 保護・普及を目的とした伝統的医学知識の保護及び促進に関する法律を1999年1月1日に公布している。 ルーシーダットンは、タイ及びタイ国民の間で大切に守られてきた伝統的医学知識の一つとして、 国王・政府が復興、普及に努めてきたきたタイ及びタイ国民の文化的遺産であると判断されるべき。 とした上で、 商標登録者が日本国内で商標登録がされていない機会を利用し利益機会を得る目的で商標を出願し登録を得た行為は、 タイ及びタイ国民の尊厳、国民感情からみて国際信義に違背する恐れがある穏当ならざるものであり、 また、このような行為に基づいて登録された商標を商標権者が独占して採択、使用することは公正な取引秩序を阻害するおそれがあると主張。 一方、商標権者側は意見書の中で、 ・ルーシーダットンは、タイ国内の限られた地域の者が知っている程度の全国的に周知されたものではなく。 また自己整体法を意味するものと認知されていない。 ・商標権者は100以上の講座等を通して ルーシーダットンの普及に努め「タイ式ヨガ」として周知著名にしてきた。 ・ 商標権者が普及活動により周知著名にし、慣れ親しまれてきた語句の保護を求めて出願したものであり、 利益機会を得るために登録したものではない。 とした上で、今回の商標登録がタイの国民感情に反するとの認定は、 仮想的前提に基づく証拠のないもので、 また一地域に古代から伝承する自己整体法という概念も、タイ全体で認知されていない一般タイ国民の文化感を構成しているとは認めらず、 タイ全体の文化的遺産という認定は過大拡大な解釈で 、国際信義に反するとは言い得ないと主張。 両者の異議・意見を受け特許庁側は、 ・タイ国王が国民の健康維持の為に伝統的な医学知識を体系化し普及に尽力し、 その後政府が法律を制定し復興・普及に努めている。 また、ラーマ3世が設置した石碑や像に、ルーシーダットンはタイ及びタイ国民の歴史的遺産であり 特定の者に対して与えられものではないとの記述があると共に、タイ政府側が法律を制定し保護・普及に努めている。 立憲君主制であるタイ国民の国王や王室に対する畏敬の念を考慮しても、タイ及びタイ国民の公共の文化的な財産というべきものである。 とした上で、商標権者側に登録出願した意図に悪意が無かったとしても、タイと関係を有しない又はタイ国民でもない商標権者が、 在籍していたワット・ポー・トラディッシュナル・メディカル・スクールに無断で商標権を得た行為は、 客観的にルーシーダットンの普及活動の為に海外から多数の研修生を受け入れている ワット・ポー・トラディッシュナル・メディカル・スクール及びタイ、 タイ政府との信義誠実の原則に反し、且つかかる商標を日本国内で登録する事は 日本とタイとの国際信義にも反すると判断し、今回の取り消し決定となったようです。 |
4月9日 タイのデイリーニュース紙にも掲載され
タイにも周知されました
経緯−
2006年
タイ国内の報道によると、
タイ政府側の異議申し立てを受け
日本の特許庁は6月2日までに、
ルーシーダットンの商標登録は無効であると判断し
登録の取り消し措置を講じた模様。
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ピニット暫定公共保健大臣は5月26日、
日本のビジネスマンにより
商標登録されたタイの伝統的体操法とも
タイ式ヨガとも言われるルーシーダットンを
絶対にタイに取り戻すと宣言しました。
ハーン・フン・スワン・ルーシーダットン社なる社名で
日本の特許庁に"ルーシーダットン"を商標登録すると共に、
サイト上で何人も"ルーシーダットン"という言葉を使用する事は
法律に違反すると記載していたことが
明らかになったことを受けた発言で、
ピニット氏は、ルーシーダットンは
少なくともラーマ1世の治世の時代には存在していた
タイ固有の無形財産であり
何人も個人の権利として所有する事は
許されないと指摘していました。
ピニット氏によると、
既に省内の関係部局に対して
日本の当局に対 して事実関係を確め
適切な対応を講じるよう要請するよう指示すると共に、
他のタイ固有の無形財産が同様に
商標登録されることがないよう対策を講じるよう指示しているようです。
尚、公共保健省タイ式医療局によ ると、既に26日付けで
日本の特許庁に対して異議申し立ての文書を送付済みであるとのこと
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今年7月26日バンコクのホテルにて、参加者600名の大規模セミナーが
開かれタイの伝統知識保護を如何に保護するかを熱心に討議された。
セミナーのタイトルは「事例研究“ルーシーダットン”:タイの知識を保護する最近の潮流」と題し、
NRCT(National Research of Council of
Thailand)及び伝統医薬基金 との主催で行なわれた。
このNRCTと言う組織は、タイ政府内閣の組織であり、
科学技術政策を決定する権限を持つ日本で言う諮問会議のような組織である。
何故、このような集会(セミナー)が開かれたのか。
そもそも事の発端となる事例であるルーシーダットン商標登録の事件について簡単に説明をしようと思う。
ルーシーダットンとはタイ古来から伝わるタイ式ヨガであり、
タイのマッサージの原型であると言われている。ルーシーはタイ語で仙人を意味し、
ダットンは自己ストレッチを意味する。タイでは、学校教科書にも出てくる汎用用語であり
かつて国王であったラーマ一世(在位1782-1809)からラーマ三世(在位1824-1851)までの代々の王様が
国民に伝授し普及に努めたと言われる由緒ある整体ストレッチの方法である。
事の発端は、この「ルーシーダットン」という語を日本人が日本政府に商標登録をしたという事が発覚し、
タイ政府及びタイのマスメディアが「タイの財産であるルーシーダットンが
日本では個人の日本人に商標権を日本政府が与えた」と大騒ぎした事件である。
この報道からタイ政府関係各局からの登録反対声明や、署名運動まで現在発展している。
2007年
タイ・ユネスコ史料遺産プログラム委員会は先に、
観光スポットとしても知られる
バンコク都内の寺院、ワット・ポーで会議を開き、
この寺に伝わる伝統ヨーガ・ポーズをした「ルーシー・ダットン」像を
ユネスコ史料遺産に登録申請することを決めた。
1992年に始まったユネスコ史料遺産プログラムは、
貴重な史料遺産を保護と積極的利用を呼びかけることを目的としたものだ。
今回の登録申請期間は来年3月31日までで、
来年から再来年にかけ選考が行われる。
同委員会のメンマート委員長によれば、
ラマ1世王(在位・1782年〜1809年)の命により、1808年頃に建立されたこの寺は、
王に仕える臣下たちの教育センターとして機能しており、医学などの授業も行われていたという。
また、ここには、ルーシー・ダットンなど様々なポーズの人の像が80体あったが、
現在残っているのは24体だけだ。
また、日本の企業がルーシー・ダットンの商標登録をしようとして
タイで問題になったことについて、
メンマート委員長は、「ユネスコ史料遺産に登録されれば、
そのようなトラブルも回避することができる」と話している。
タイでは03年、ラムカムヘン大王の碑文がユネスコ史料遺産に登録された。